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探査機は自動で走りだした。
長い滑走路から、とびたつ。
空に浮かびあがると、暴動の火花が見えた。
あちこちで燃えあがり、つかのま炎をあげては消えていく。
幾千万の地上に咲いた花火のよう。
探査機が上昇するにつれ、火炎の花火は遠くなる。
「どこへ行くの?」
「私たちは転生のあいだ、さんざん、悲劇をくりかえしてきた。最後くらい、ハッピーエンドもいい。闇の国へ帰る前に、二人だけの楽園ですごすというのは、どう?」
サリーは頭上に光る地球を指さした。
「あれが私たちのふるさとだよ」
「すてき!」
エンデュミオンがサリーの首に、しがみついてくる。
「地球につくまで、なにしてるの?」
「それは、もちろん。ねえ?」
サリーはエンデュミオンを抱きしめた。
コックピットに、しずみこむ。
船は、静かに月を離れる。
宇宙をただよう木の葉のように。
ゆっくりと、ゆっくりと、青い地球に吸われていった。
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