390人が本棚に入れています
本棚に追加
ああ……俺の家。
「あつむ大丈夫なの? 全然起きないんだもの。顔色悪いし、ねえ大丈夫? 私を分かる?」
わずかに首を縦にふると、ゆかりはホッとしたように瞼を閉じた。額にたくさんの汗が浮かんでいる。心配してくれたのだろう。
「職場には体調不良でお休みの連絡入れたから」
子供が母親に言われるようなことを、どこか遠い物語のように聞いていた。
だが引き返せない体が、脳が、あの晩の綾奈を求めて許さない。
その日の晩もまた、俺はドラッグに手を出した。迷いはもう微塵もなかったーー。
最初のコメントを投稿しよう!