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「すきモノだなぁピギーさんは」
「あんたほどおかしかあねぇよ」
「まさか。殺めた人の肉でクレープをこしらえる方が何をおっしゃる」
くくくと喉を震わす財出に、男はソファごと体を向けた。
「その俺の弁護を願い出て、シャバに戻す代わりにヤバい仕事しろなんて依頼してきたのは誰だ。よっぽどあんたの方がクレイジーだろ」
「そうですか? あ、あのピンクうさぎの被り物。似合ってましたねピギーさん」
「うるせぇな」
モニターを消すとますます暗い室内に嫌気がさしたのか、ピギーと呼ばれた男は机の間接照明を点けた。
橙色の明りがそこだけをぼうっと照らすと、おびただしい量の写真が机の上に浮かび上がった。
それは全て個人写真で、同じ人間のそれはひとつもない。また人物の顔には書き殴ったような文字でバツ印がついている。
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