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「さあねぇ」
「ちょっとは興味持って下さいよ。私はね、過去に遡りあの男を腑抜けにして、未来犯罪を防ごうと考えているのですよ。それにね、ふふ。ドラッグという自らがまいた道具で、苦しんで苦しんで堕ちてもらわなければ、死んでいった者達が浮かばれない。貴女だってそう思うでしょ? ーー ゆかりさん」
壁にひとつだけ嵌め込まれた窓から、月明かりが蒼白い女の顔をほのかに照らした。
「ねえ。過去のご自分を犠牲にしてまで、四之宮に復讐したいと自らこの私に持ち掛けたのですから」
女は、こっくりと頷いた。
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