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「これはどういう事ですか店長!」
店長は更衣室の地べたに正座し、下を向いたまま猛省している。
「自分が勤める店で万引きなんて……
手口からすると初めてではないですよね?」
確信を持って尋ねるが、店長は小刻みに震えたまま、
「申し訳ない、なんでもするから誰にも言わないでくれ」
土下座を繰り返す。
「なんでも?
じゃあ俺を店長にしてよ」
「そ、それはそんな簡単には……」
俺は顔を近付け、
「上に報告せずに、直接警察って事もあるんだけどなぁー」
脅しを掛ける。
「そ、それだけは……」
きっと家族の顔でも思い浮かべたのだろう。
「じゃあ俺が店長ね」
「わ、わかったよ。
上に上手く言っておく」
立場は逆転するんだ、ここはきっちりしておかないと……
「あれ?
敬語って習わなかったの?」
元店長は渋い顔を浮かべながら、
「わかりました……
上の者に伊藤さんを店長にするよう進言致します」
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