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皇帝が射殺さんとでもするかのような目でぼくを見下ろして、言う。
「今のそなたの振る舞いは、不敬罪、もしくは、反逆罪。極刑に値する犯罪だ」
低く告げられ、ぐっと詰まる。
たとえ頭がパッパラパーな集団だろうと、この国のロイヤルストレートフラッシュに違いはない。無礼に振る舞えば、ぼくの首など飛んでしまう。
「選ばせてやろう」
ぼくの反応に満足げに、それでいて酷く悪辣に微笑んだ皇帝が言葉を続ける。
「皇帝に反逆した平民として八つ裂きにされるか、国を救う勇者として旅立つか。ふたつにひとつだ」
はい。首を跳ねるより酷い刑宣告されましたー。やったね!
「……勇者の任、謹んで拝命致します」
ぼくに、それ以外の返答など残されていなかった。
皇帝がそれで良いとでも言いたげに頷く。
視界の端で、大神官がガッツポーズした。野郎……っ。
心のなかに留めるから、言わせて欲しい。
もうやだこの国ぃいいいいいっ!!
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