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「いいえ。ひと違いなどではございません。彼こそが、確かに勇者でございます」
玉座よりいくぶん質素な椅子に座っていたひとりが、すっくと立ち上がって言った。若々しい見た目の、美人だ。
きっと、皇女のひとり、
「大神官、それは、間違いないのだな?」
「はっ。マレウス神に誓って、確かな真実でございます!」
って、お前が大神官か!
てことは、男か!まじか!!
じゃない。
元凶はお前か馬鹿野郎!!
しかも、余計なこと言いやがって!!
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