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その後、応接室とは反対の奥の部屋へと進む。
開けると、中は前面鉄でできたちょっと暗めの部屋だった。
作業用のスペースのようで色々な工具があちこちに並べられ、
ペンキや木材、鉄などのにおいがした。
ガチャガチャと音がした方を見ると、
まさにマスクを作成中であろう肩や首などに入れ墨の入った男性がいた。
どうやら夢中で口の部分を作成中のようだ。
「あれー??おおじさん!新しい子ですかあ??」
男性の奥にペンキだらけになっている子供がひょこっと現れた。
短髪で、髪の毛は茶色ぐらいだった。
え、、、子供もいるの??
「もかちゃん、あのちっちゃい子供が 森野 狼(もりの ろう)。
入れ墨男が辰橋 双一(たつばし そういち)だ。彼は変装用マスクやメイク。
ネカニック担当だよ。」
「あの子は、、、?」
「ああ。彼は捨て子なんだ。ミッション中にかぐやが拾ってきて
ここで育てたんだよ。」
なんか急に複雑な心境になるな、、、。
そんな話をしていると、とてとてと狼は歩み寄ってきてにっこりと笑った。
「こんにちはー!よろしくね!!
双一今忙しいから名前伝えておくよ。」
「加藤もかです。どうぞよろしく。」
彼の無邪気さにつられて私もにっこりと笑う。
再びオフィスに戻ってくると王子さんがくるっとこっちを
見てみんないいやつらだからっと笑う。
仕事内容は不安だけどいい人ばっかりでとても
いいところだと素直に思った。
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