最悪ではないけど退屈な日々

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それは綺麗な秋の空。 私たちは言葉を交わすことなくただ音のない世界にいた。 これはそういうお話。 つまり、私達がいたこの世界で起きた小さくてとても静かなお話し。 その出来事は突然起こる。 私は普通に朝の少しうるさいぐらいの軽快なテンポ良いの曲で目を覚ます。 でも普通というのは私には似合わないかもしれない。 加藤 もか。 年齢は23。独り暮らし独身。彼氏なし。仕事なし。趣味も特になし。 でも私は普通に一番憧れるし、普通といる人たちは一番恵まれていると思う。 今日も面接があるので身支度を済ませる。 顔を洗い、ご飯を食べて、歯を磨く。 書きなれた履歴書をスラスラと書き、 時間に間に合うように家を出た。 仕事は今まで一年続いたことが無い。途中で何故か思ってしまう。 “自分にはほかにもっとできるんじゃないか?”と、 何の計画もないのに退社して、後悔するのがいつものパターン。 最悪な人生とまではいわないが、退屈な人生。
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