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「でも、なんでそんなことを、、、?」
そう聞くと王子さんは丁寧に教えてくれた。
聞く話からするとこういうことらしい。
『ランタナ』は、
お客様の日常の代理を務める場所。
つまり、お客様に変装し、要望の期間を私たちが過ごすというものだった。
ここにくるお客様はいわゆる金持ちやその子供。
いじめられている子供の代わりに学校へ行ってほしい、
一週間旅行へ行きたいのでその間会社へ行ってほしい、
浮気相手の家に何日か泊まるから夫と子供の世話や家事をしてほしいなど。
たくさんのケースがあるらしい。
なぜこんなとんでもない会社が潰れないかというと、
本当にバレずに仕事をこなすから。
変装マスクやメイク。様々な方法でお客様そっくりになれる。
今までの仕事で失敗したことが無いという信頼があるので
金持ちの間ではかなり流行っているようだ。
「で、、でも私そんなことしたことないですし!!
ムリですよ!!」
話を聞く限り技術もすごいのは確かだが、一番のカギはやはり
どれだけその人になり切れるかという所。
演劇部を出ているわけでもない私にできるはずがない。
「大丈夫だよ!最初はちゃんと特訓して、自信ついて来たら
仕事してもらうし。明日はとりあえずかぐやに同伴して見学してきてよ。」
にっこりと笑いながらこう続けた。
「一般の人は化けているなんて想像もつかないだろうから
怪しまれても何とか切り抜けらえるしね。」
「はあ、、、。」
確かに友達が今日だけ別人なんて言われても顔が一緒だったら私も
一日いても気づかないと思うけど、、、。
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