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勢いで再び、床に2人して寝転んでしまった。
咄嗟な事だったから受け止められず。
それに―――
ぎゅっと抱き付いて、どうしてか真珠は胸に頬すりをしている。
「にゃんこのめぇしてるぅぅ」
烈香は頑張って身動きして起き上がった。
間近で見る真珠の瞳は黒に近い灰色をしている。
目が合っても怯えなどの負の感情はない。
寧ろ、輝いていて楽しいことが判っているような、烈香の能力や雰囲気をものともしない。
真珠は烈香の左右違う目をじっくり見ようと覗き込む。
烈香の膝の上に乗り上げてまで。
それすらも驚いてしまう烈香だが、ただされるがままになっている。
頬を押さえられても。
真珠の笑顔が、輝く瞳が烈香の心を持っていく。
「……私は烈香。……君は?」
やっと口を開く。
「…れ、か?……きじままじゅごさ~い…」
手の平を烈香に見せながら。
「おかあさまはえいえんのーじゅうはちさーいていうてたー」
烈香は真珠の赤くなった額に優しく触れる。
「おとんはさんじゅー……どーでもいっかー」
父親の扱い…
「痛い?ごめんね?」
「ううんだいじょーぶー」
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