第1章

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勢いで再び、床に2人して寝転んでしまった。 咄嗟な事だったから受け止められず。 それに――― ぎゅっと抱き付いて、どうしてか真珠は胸に頬すりをしている。 「にゃんこのめぇしてるぅぅ」 烈香は頑張って身動きして起き上がった。 間近で見る真珠の瞳は黒に近い灰色をしている。 目が合っても怯えなどの負の感情はない。 寧ろ、輝いていて楽しいことが判っているような、烈香の能力や雰囲気をものともしない。 真珠は烈香の左右違う目をじっくり見ようと覗き込む。 烈香の膝の上に乗り上げてまで。 それすらも驚いてしまう烈香だが、ただされるがままになっている。 頬を押さえられても。 真珠の笑顔が、輝く瞳が烈香の心を持っていく。 「……私は烈香。……君は?」 やっと口を開く。 「…れ、か?……きじままじゅごさ~い…」 手の平を烈香に見せながら。 「おかあさまはえいえんのーじゅうはちさーいていうてたー」 烈香は真珠の赤くなった額に優しく触れる。 「おとんはさんじゅー……どーでもいっかー」 父親の扱い… 「痛い?ごめんね?」 「ううんだいじょーぶー」
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