僕と守りたい人

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そして、付き合い始めて二年の歳月が経っていた。 僕は、大学三年生になり、 紗代は、大学を卒業し、僕の親に見初められ、花嫁修行をしていた。 僕が、大学を卒業したら結婚する約束もした。 僕が三年生の夏頃。 紗代が体調を崩した。 最初は、夏バテだと思っていた。 病院に行った後、紗代に話があると言われて、自分達の部屋で話すことになった。 お互い、ソファーに座った。 「どうしたの?」 「うん……」 「何か、心配事か?」 「今日、病院に行ってきたら、これ渡された」 紗代が出してきたものは、母子手帳だった。 「これって……」 「おめでとうって、言われた。 三ヶ月だって……」 頭の中が真っ白になった。 けど、直ぐに紗代の事を、優しく抱きしめている、自分がいた。 「凛……」 「紗代、ありがとう、嬉しいよ」 「まだ、凛、学生だから、迷惑とか思わないの?」 「予定が少し速まっただけ。 紗代の事、大好きだから、とっても嬉しい 紗代と僕の子供だから、きっと可愛い」 「うん」 その後、結婚をした。 式は、僕が卒業したら、決めようと 紗代が言ってくれた。 どんどん幸せになっていった。 そして、僕が四年生になる頃には、 元気な男の子が産まれた。 「名前、決めた?」 「うん、これ」 輝 とかいてある紙を見せた。 「輝く未来を歩んで欲しい。 それに、何事にも諦めないで欲しい。 だから、輝(アキラ) どうかな?」 「うん、素敵な名前だと思う。 輝、パパとママだよ」 あれから、僕が大学を卒業する頃には、 また、新しい命が誕生してくれた。 慶(ケイ) 明るく力強い子なって欲しい そんな願いが込められた名前。 それから、僕は、父の会社で働くことになった。 仕事も家族とも上手くいっていた。 でも、それがまた、崩れていく。
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