僕と守るべき人

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それから、航大君と一緒に病院に向かった。 悠真は、航大君に会って安心したのか、 ぐっすりと寝てしまった。 航大君は、悠真の側に居たいと言うので、 悠真の事を任せることにした。 その後、病院の屋上に向かい、ベンチ座った。 やっと一段落つけた。 「凛」 「あっ、京介さん」 僕は、いつの間にか、京介さんに抱きついていた。 「凛、よく頑張ったな」 「京介さん……、京介さん」 「二週間、顔見てないだけで、こんなに寂しいものなんだな」 優しく僕の事を包み込むように抱き締めてくれた。 「京介さん」 京介さんの首筋にキスをした。 「そんなに寂しかったか。 まぁ、頑張ったもんな、凛」 「後、もうひと頑張りです」 京介さんを見上げた。 「俺も行くよ、でも、本当に良いのか?」 「僕たちは親離れした方がきっと、幸せに暮らせます」 「そうか、凛が決めたことだから、俺も手伝う」 「頼もしいです」     次の日    家へ 僕たちは両親に話をつけに来た。      リビングへ 「なんだ、いったい、京介君まで」 「そうよ、凛。 お父さん、お仕事で忙しいんだから」 両親を前に向かえると緊張する。 「じゃあ、単刀直入に言う、僕達、この家を出ることにした。 僕と京介さん、輝と慶、悠真と航大君で住むことにしたから」 怖いけど、自分の意志を伝えなければ、 なにも変わらない。 「凛、それはどう言うことなの。 でも、何で京介君まで一緒なの?」 大丈夫だろうか、どうなってしまうんだろう。 心臓の音がうるさい。 京介さんが手を握ってくれた。 そうだ、僕には京介さんがついてる! 「京介さんと付き合ってるから」 「凛、何をバカな事を言ってるの」 「でも、もう、決めたことだから。 僕は、京介さんと一緒に居たい」 この時、気がついた。 初めて自分の意志で親に逆らった。 「俺も、同じ気持ちです。 凛の隣に居たい、それに支えたいです」 京介さん……。
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