僕と先輩

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緊張して、頭が真っ白になった。 遠い存在でしかないと思っていた人が 目の前で僕の心配をしてくれている。 それだけなのに、とても嬉しいと感じるのは何故なんだろう。 「どうした、他にどっか、痛むのか」 「あっ、いえ、その、階段を踏み外しただけなので……」 緊張して、言葉が上手く出てこない。 「階段踏み外しただけって、十分大事だと思うぞ、足、見せてみろ」 「大丈夫です」 「大丈夫の奴が足首押さえながら、座り込んでいるはず無いだろ」 大人しく、左足を見せた。 「少し動かすぞ」 「痛っ」 「痛いか、一先ず、保健室行くぞ。 立てそうか?」 今度は、立てたが歩くと痛みが走った。 「大丈夫か? じゃぁ、おぶってやる、乗れ」 「えっ、そんな、大丈夫です!」 「はやくしろ」 京介さんにおんぶしてもらった。 「よし、行くぞ」 おんぶしてもらった、その背中は大きくて とても頼もしいく感じた。 このまま、時間が止まってくれれば、 良いのに……。
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