僕と先輩

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 保健室へ 僕は、ベットの上に下ろされた。 「誰も居ないですね」 「先生、出張だって言ってたから」 京介さんと二人きりって、緊張する。 「古賀、足、貸してみ」 「何で、僕の名前」 「お前、結構有名人じゃん。 可愛い顔してて、学力も運動神経もいい。 女子の間でよく噂されてるだろ」 僕が、有名人? 「気づかなかったのか? 以外と鈍感なんだな」 学校では、京介さんの事しか興味なかったから、全然知らなかった。 「古賀凛って言ったら、知らない奴。 この学校に居ないだろ」 へぇ~、そうだったんだぁ。 「今のところは、このくらいでいいか」 足を見ると、テーピングと包帯が巻かれていた。 「凄い」 「家帰ったら、病院行けよ。 捻挫だからって甘く見るなよ」 「はい。 京介さんは、何でも出来ちゃうんですね!」 話してる間に終わってた。 「俺の名前知ってたんだな」 「えっ、あっ、嫌でしたか?」 「好きに呼べばいい。 でも、俺は何でも出来る人間じゃない」 凄く、悲しそうな顔をしていた。 「でも、僕、こんなに風に出来ないですよ、治療なんて」 「まぁ、家が病院経営してるからな。 自然と聞くって言うか、学んだと言うか」 「そうですか。 だから、こんなに的確に出来るんですね」 「フフッ」 京介さんが、少し楽しそうに笑った。 「どうしたんですか?」 「お前、子供ぽいんだな。 いつも、しっかりしてるイメージしか無かったから、新鮮だ」 「そうですか?」 不思議だったけど、京介さんの笑顔を みたら自然と笑みがこぼれていた。 「古賀、家まで送って行こうか。 その足だと大変だろう」 京介さんと一緒に帰れる! 「嫌か?」 「いえ、嬉しいです」 嬉しくて、堪らなかった。 久しぶりに自然と笑った気がした。
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