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 少年は陸人と同じくらいの年頃のようではあるが髪色は白銀で、右眼は赤色で左眼は青い。いずれもクレヨンの原色の赤色/青色をそのまま持ってきたような、鮮烈な色彩だった。  肌は抜けるような白さで、血の巡りが感じられない陶器のような質感。  あどけない輪郭の中央には、猫のように吊り上がった大きな瞳と小振りの鼻、やや尖らせた唇。インパクトのある瞳がきつい印象を与えないのは、下がり気味の愛嬌ある眉のおかげだろう。  人形みたいだ、と陸人は感じたが、このような見た目の人形が陸人の身近にあるわけではない。“人形”というのは、ただ人間味が無く、得体の知れない不気味さを与えてくるという意味の形容だ。  少年の服装は、嫋やかなフリルで飾られた詰襟の純白のシャツに、緞帳のように重厚なクリムゾンレーキの外套。小さな頭の上で輝くのは、繊細な装飾の施された王冠だ。  胸から下は映っていないが、まさにアニメの中でしか見たことのない、「王様」のような出で立ちだった。  少年は、無言かつ無表情のまま真っすぐ陸人を見つめ続けている。  陸人が息を飲みながら少年の目を見つめ返していると、少年はまばたきを1つしたのち、ふっと笑みを浮かべた。  「やあ」  人形のような少年がれっきとした生身の人間であるだけでなく、自分に向かって話しかけてきているということを覚った陸人は、驚愕のあまり絶句した。  すると少年はさらに破顔し、朗らかな声を上げた。  「すごいや。異国との交信ができる装置だったなんて」
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