第19章 10年後のそれぞれ

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続いて眷属達に会いに行く。 ジン、リアナ、サリャの3人だ。 100歩譲ってジン、リアナは10年変わらなくても若々しいで済むが、成長期真っ只中だったサリャ少年は流石におかしいと気付かれるからだろう、もう随分前からローブで身体をすっぽり覆って深くフードを被るようになっていたらしい。 一瞬悪い事しちゃったな、と思ったが、よくよく考えたら眷属にしなかったらあの日、あの時、彼の命は潰えていた筈なので、仕方ない…んじゃないかな? 遠い昔の出会いを思い返しながら、歩みを進める。 あ、セサルはね、仲良くねって言い置いて、水晶城に置いてきた。ルテとオリジンは身辺整理?とか言ってどっか行った。 辿り着いた、かなり稼いでいるらしい彼等が買ったという、大きめの家の中に、あたしの身体から分裂させた蝙蝠を放つ。 家の中でガタガタッと物音がして、ドタバタ足音が近付いてきたかと思うと、ドアが勢いよく開いた。 ドアを開けたままの体勢で蝙蝠を片手で引っ掴み固まるジン、ジンを押し退けるリアナ、顔面に蝙蝠を貼り付けて前が見えていなさそうなサリャ。 「やっほ」 「……生きてたのか」 「だからあたい言ったじゃない、ユウが死んだらあたい達も無事では済まないから生きてる筈だって」 「ユウか!?久しぶり!何でもいいけどこの蝙蝠どうにかしてくんねえ?」 おい、ジン以外凄いあっさりな反応なんですけど。 サリャに至ってはどうでもいいとか言っちゃってるし。 あたしは指を鳴らして蝙蝠を消滅させ、ニッコリ笑った。 すると何故でしょう、3人は顔を引き攣らせやがりました。 「早速面倒事か?」 ユウのその笑顔は大抵面倒事に巻き込もうとしている時だ、とジンが呟き、リアナとサリャが頷く。 ……そんなに君らに面倒事押し付けてたっけ?
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