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だめ、と夏目が抗ってくる指を握った。
「この下にもキスマークつけちゃってるし……数えなくちゃね」
「―――っ」
下肢を覆っていた衣類をするりと剥がされて、再び頭を落とした秋月が瞼を瞑る。
ななつと囁いた唇が脚の付け根に落ちた。
「ふ―――っ……あ」
顔の横で揺れる昂ぶりの先端に湛えられていた露が、とろりと零れ落ちてくる。幹の半ばに伸ばした舌先で、それをちろりと掬って。夏目が身体を起こした。
捩れたシーツの波の中で素肌を晒した秋月に、潤んだ瞳で見上げられて。すぐにもその身体を暴きたい衝動を必死で堪えた夏目が、余裕のある声を作る。
「やっつ」
秋月の片膝を立てさせて、膝頭の内側にくちづける。そこから内腿をゆっくりと滑り降りていく唇に、秋月のつま先がシーツを蹴った。
「あ―――あッ」
「ここのつ」
内腿の中ほどにきゅ、と吸いつかれて、耐え切れなくなった秋月が高い声を上げた。
「やっ……なつ……っ!」
膝頭を掴んだ両手で脚を大きく割られて、秋月が目を見開く。遮ろうと夏目の手に重ねた秋月の指が、目的を果たせずにその上で震えた。
一指も触れられていないのにもうすっかり育ちきったそれから、とろとろと零れはじめた蜜。それが狭間を濡らしてくるさまに、夏目が目を細めた。
「なつめ!」
ゆっくりと寄せられた顔が、昂ぶりに近づく。上目遣いの黒い瞳に見つめられて、ぞくりと秋月が身体を震わせた。反射的に閉じようとした脚を膝頭で押えられる。
「ひ―――ぅ」
視線を絡めあったまま夏目の舌先が秋月の先端を擽った。赤く熟れた粘膜が涙のように零す雫を、優しく掬い上げる。ひくひくと震える昂ぶりの動きを自分ではどうにも出来ずに、秋月が唇を噛んだ。
「……ん」
先端に軽くキスを落とされて、秋月が甘く呻く。しかし意地悪な唇はすぐに離れてしまって。
愛撫されると思っていた秋月が困惑に瞳を揺らせた。まだだよと、夏目の唇が淫蕩な笑みに緩む。
「最後……どこにつけられたか、覚えてます?」
ほとんど意識がとんでたから、無理かなと囁いて。
大きな手が双丘を掴むと、両の親指が狭間を押し拡げた。暴かれた中心がひくりと物欲しげに動いたのが、自分でも感じられて。羞恥に顔を染めた秋月が手の甲を唇にあてる。
「あ」
不意に甦った夕べの記憶に、秋月が顔を引き攣らせた。
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