第1章

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「あき……そんなに、締めつけない、で」 「……っ……知らな……」 もう身体はとっくに自分の意志を離れてしまっている。こんな風にしたのは君のくせにと、濡れた琥珀の瞳が睨みつける。 その色に、夏目の背筋がぞくりと波立った。 「っあ!」 いきなり突き上げられて、秋月の唇を嬌声が破る。 「ごめ……もう、ダメ」 秋月を焦らす余裕も気遣う余裕も、とっくに無くなって。自分だけの快楽を追って夏目が動き始めた。半ばまで埋め込んだそれをゆっくりと引き出すと、叩き込むように秋月を抉る。 「夏目―――っなつ……」 乱暴に穿たれながら、伸ばした腕で秋月が夏目に縋りつく。 ぐちゃぐちゃと立つ濡れた音は、秋月の内部からなのか、夏目から零れてくるものなのか。あるいは最奥に呑み込ませた昨晩の名残かもしれなかった。 「なか、キモチイイ……熱くってきつくって」 食べられてるみたい、と夏目が顔を寄せる。 「夕べもよかったけど、今朝はまたスゴイよ……もっと奥に来いって、吸い込んでくる」 「ばっ……言う、な―――っ、あ!」 根元まで咥え込まされて秋月の言葉が途切れる。奥で回された腰に粘膜を掻き混ぜられて、甘い悲鳴が上がった。 「ね、秋月さんも、いい?」 言葉にならない声を零し続ける唇に、夏目が指を当てた。 「俺ので、感じる?」 あきづきさん、と甘えた声で訊かれて。秋月がうっすらと瞼を開いた。生理的に零れてくる涙が視界をぼかす。 「かん……感じ―――っん、あ―――っあ」 教えてと強請ってくるくせに。抱えなおした下肢に夏目が腰を打ちつけてくるから。押し出されるばかりの息に邪魔されて、言葉が紡げない。 ずるりと引き抜かれる動きに、逃がすまいとでも言うかのように秋月の内部が絡みつく。 先端のぎりぎりまで引き抜くのは、そのあとにより深く抉り込みたいから。濡れた粘膜が擦れあう快楽を、より長く味わいたくて。 「ひ、ぁ―――ッアアア!」 ぐちゅ、と激しい水音と共に昂ぶりを埋め込めば、甘い色の髪がシーツを打つ。とくとくと早くなった鼓動にあわせるかのように、秋月の内部も悦びの蠕動を繰り返す。
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