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「それじゃ、あたしはここで落ちるわね。お疲れさま」
「お疲れさま。明日は学校が終わったらレッスンだから忘れないようにね」
「大丈夫よ、サボったりなんかしないわ」
その後、唐突に始まった会議と共にピクニックを終わらせてスタート地点であるマリアさんの店に戻ってくると、シャインがあくび混じりにぐっと伸びをしながらウインドウを開く。
そして何度かの操作を加えて、戦闘装束の上を申し訳程度に覆う金属装備を除装するとどっかりと手近な椅子に腰掛け、テーブルに倒れこみながら緩慢な動作でウインドウを再び操作し始める。
「落ちる前に、フレンド登録だけしたいんだけどみんなはいい?」
「うん、もちろん」
「んー」と疲れたように呻きながらの操作を終えると、顔だけこちらに向けてそんな提案をしてくるシャインに、ルナが笑顔で応じると、二人は手早くフレンド登録の手続きを終えて、次はリリアさん、その次はセブンとパーティーメンバー達と次々にフレンド登録を進めていく。
そして最後、俺の番になるとシャインはくいくい、と近う寄れとでも言わんばかりに持ち上げた左手の人差し指を数回折り曲げて見せたので、それに従ってシャインの元へと歩み寄る。
「なに、カツアゲ? それともパシリ?」
「ぶっ飛ばすわよ。ほら、とっとと登録しちゃいなさい」
適当な軽口を叩きながらシャインの前に立つと、すぐに容赦のないツッコミと共にフレンド申請のウインドウが飛んでくる。
『≪Shine≫からのフレンド申請があります』という文字列を前に一度拒否のボタンでも押してくれようかと悪戯心を起こしかけたが、そんな内心を読まれたか絶対零度の眼差しを向けられたので大人しく承認ボタンを押し込み、フレンド申請を受諾する。
すると彼女がフレンド登録されたという旨の確認のウインドウに切り替わり、シャインもその手元に現れた同様のウインドウを確認すると満足げに微笑んだ。
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