再会

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「それじゃあ、メンバーも増えたことだし、そろそろちゃんとこれからのことを話し合っていきましょうか」 セブンの紹介とパーティー加入の手続きを済ませ、パーティーメンバー四人にマリアさんを含む一同がテーブルを囲むと、相変わらずリーダーを担っているルナがそう音頭をとる。 「というか、今まで計画とか立ててなかったんですね……」 「あはは……流されるままでどうにかなってたので……」 ここで初めて攻略についての計画らしい計画を立てると知ったリリアさんと、前々からそんな俺達の攻略事情を知っていたマリアさんはため息をついて呆れを表す。 俺がそれに乾いた笑いを零しながら言い訳にもならない言い訳をしていると、リリアさんの隣に座るセブンがおずおずと手を挙げた。 「あの……計画を立てるって言ってもどんなものを立てるんですか?」 「そうだなぁ……計画の内容だとか、どこまで綿密かはギルドとかパーティーの性格が出るから一概には言えないけど、最低限決めておいた方がいいっていうのは、どこのダンジョンをいつまでにどのくらいの予算で攻略するかとか、あとはレべリングのノルマとかかな? まあウチはそもそもメンバーのレベルがバラバラだから特にノルマとかはないけど」 「ノルマが厳しいとこだと、有名なギルドなら楽園かしらね。まあ、ワンランク下がって三帝の後釜を虎視眈々と狙ってるようなギルドだともっと厳しいブラックギルドなんかも珍しくないみたいだけど」 マリアさんの補足にセブンは「ひえぇ……」と肩を震わせる。 以前アルマダ達に聞いた限りでは、案外そういったブラック企業ならぬブラックギルドは多いらしいが、そういったところは前線に入るか入れないかを彷徨っているようなギルドに集中しており、そのラインを突破したギルド……要するに楽園、無敵の盾、剣闘士、見ツメル者、そこにプラスでいくつか存在する上位の傭兵ギルドなどは以外とレべリングのノルマなんかは緩かったりするそうだ。 なんでも、「前線に出てりゃ嫌でも育つ」ということらしい。 確かにその通りなのだが、あまりの身も蓋もなさに聞いた当初は絶句したものだ。
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