再会

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まあ、それでも無理な戦い方をして折ってしまっていては世話がないのだが。 とまあ、そんなわけでメイン武器を失ってしまった今の俺に前線攻略は難しいため、新たな装備の用意が今のところの急務になっているわけだ。 いくら≪転生者≫属性の化け物パラメータがあるとはいえ、流石にこの先ステータスを上げずに攻略を続けるわけにもいかない。 そうなると、必要な装備の条件としては今まで溜め込んだステータスポイントを割り振った状態でも問題なく使えること。欲を言えばその上でまだ余裕があれば尚良い。 だが、条件を挙げてみても目の前に横たわる問題が一つ。それも、そう簡単に解決できないものだ。 「これより質の高い片手剣かぁ……」 「少なくとも、今在庫してる中で加工可能な素材では作れないわね」 そう、簡単に「これより良い装備」と言っても、元々この≪パラティウム・クロス≫はアナザーワールド初のマスター鍛冶屋(スミス)マリアさんが現状加工できる最高の素材を用いて鍛え上げた、伝説級武器(レジェンダリィ・ウエポン)にも勝るとも劣らない、プレイヤーメイドの到達点と言っても過言ではない一振り。 簡単には超えられないからこその到達点なのであって、「ハイどうぞ」とこれを超える武器が出てくる訳がないのだ。 「まあ、素材にはアテがない訳ではないんだけど……炉のレベルアップアイテムがまだだしね……」 「あと一つが遠いですね……」 「炉……炉かぁ……」 三人仲良く腕を組んでうむむ……と唸っていると、そんな俺達を眺めていたリリアさんが「あ」と何かに気付いたように声を上げる。 「炉といえば、そういえばライトさん。この間のボス戦のLAとかMVPボーナスとかで何かアイテムとかは落ちてないんですか?」 「へ? ああ……あの時は知っての通りグロッキーだったのでリザルトウインドウとかはろくすっぽ見ずに閉じ……あ」
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