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「さて、そうと決まれば早速打ち合わせに入りましょうか……と言いたいところなんですが、その前に一つ確認を」
俺達から特に意見が出ないことを確認すると、ヘスティアーは殊更に明るい声音でぽん、と掌を打ち合わせ、そんな風に話を切り出す。
心のうちで「マイペースだなぁ」などと思いつつも、取り敢えず彼女に倣って背筋を伸ばし、居住まいを正して話を聞く態勢を作ると、他のメンバーも同様にして「確認」とやらを待つ。
「番組の出演に関してなのですが、基本的にここにいる方達はコンスタンスに出演されるということでよろしいのでしょうか?」
この辺は流石にちゃんとやるのか。などと失礼なことを考えながらヘスティアーの質問を受けると、そこは番組に関しての責任者であるマリアさんが予め用意しておいたであろう受け答えをする。
「基本的にはシャインが主軸になるけど、フィールドに出るときだとか戦闘が予想されるようなコーナーの場合はこのパーティーのメンバーが少なくとも二人は必ず出演してもらうと考えてもらっていいわ。
スケジュールは事務所に所属してもらうことで管理できるし、その旨は本人達の保護者からも了承は貰ってるから、撮影日さえ事前に連絡してもらえればこっちで調整する」
「なるほど、わかりました。では撮影のスケジュールは今後密に連絡を取ることですり合わせていくとして、他に何か懸念事項などは?」
「ええと……見ての通りアタシ以外はみんな学生だから、仕事として夜遅くの撮影……たとえばニ十ニ時から翌早朝の五時までの時間帯の生放送なんかはさせられないわね」
この辺りはマリアさんの配慮というよりも、労働基準法に則った原則だろう。
俺達のような18歳未満の未成年は午後十時から午前五時までの、一般に深夜と呼ばれる時間帯の就労は禁止されている。
仮にこれを破った場合、雇用主ーーこの場合は俺達が所属することになる事務所ーーに六ヶ月以下の懲役、または三十万円以下の罰金が科せられる。
選挙権の保有年齢が18歳に引き下げられて久しいが、この辺りの法整備は昔となんら変わりない。
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