プロローグ

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「えっと……いくつか聞いてもいい?」 「うん、どうぞ?」 ようやく思考のフリーズから復帰したらしい、ルナが小さく挙手して質問の許可を求めると、リリアさんはにこにこと笑顔を崩さず許可を出す。 「スカウトって、このパーティーにセブンさんを入れるってことだよね?」 「はい、そうですよ」 「スカウトなんていつしてきたのよ……」 「昨日ですね」 「急すぎません!?」 あまりにもあっけらかんと答えるリリアさんに思わず絶叫するかのごとくツッコミを入れる。 昨日の夜スカウトしたということは、スカウトしてから今説明を受けるまで二十四時間経っていないということ。あまりにも突飛過ぎる話だ。 「えっと……セブンさんはいいの? リリアからどんな説明を受けたのかは分からないけど、私達は決して強いパーティーとかじゃないのよ?」 「はい! パーティーとしてじゃなくて、個人として強いんですよね!」 「いやだからそれは……」 ーーすごい、あのルナが困ってる……ーー あまりに真っ直ぐな目で見つめ返してくるセブンに、どう対応したものか困るルナを珍しいものを見る目で眺めていると、ルナが助けを求めるようにこちらに視線を向けてきた。 基本的に、これまでは他パーティーとの折衝役は大抵ルナーーというかコミュニケーションを要するイベントはほぼ彼女に任せきりだったので、彼女にどうすることもできない場合は俺にもどうすることもできない場合がほとんどだろう。 俺は気心が知れた相手ならばそこそこコミュニケーションは取れるが、初対面の人や付き合いの浅い人間相手とはまともな会話すら一苦労な悲しい人種なのだ。 「あー、セブンさん、でいいんだよな? まあ、確かにこのパーティーの人は、特にこっちのルナとかはそれなりに実力はあると思うけど、やっぱり本当に上位のプレイヤーには敵わないし、パーティーとしての力は殆ど無いに等しいんだ。 その辺を考えると、ウチらみたいな弱小じゃなくてもっと大手の……そうだな、楽園直属の傘下ギルドとか、剣闘士ってギルドとかに入った方が色々有利だと思うんだけど……それでもウチでいいのかな?」
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