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ふじたふじた係長は、おののく俺の両肩をガシッと掴み、きっぱりと言った。
「今年4回めの遅刻をした大野くんが、5回めの遅刻をしないよう、正しい道に導くのが、わたし藤田富士太の仕事ですっ!」
俺は、怖くなった。
たかだか4回遅刻しただけで、
人事異動されるわ、
新しい上司につけ回されるわ…
自宅へ乗り込まれて、お泊まりされるなんて、
あり得ない!
俺は思わず大声を出してしまった。
「プライバシー侵害!!パワハラじゃないですかっ!!」
そして全速力で走った。係長を公園に残して。
公園から自宅マンションまでは、走って10分かからない。
部屋の窓を施錠せずに、公園に来てしまったのだ。早く戻って、窓の鍵かけなきゃ。
係長のあの勢いじゃ、無理やり窓から侵入しかねない!
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