寝坊は許さない

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今、俺は夢を見てるのか? 俺の理想の、いや理想以上の美しい女性が、 俺の目の前で、ご飯のおかわりをよそってくれている…。 そのへんのアイドルやモデルなんて足下にも及ばない、たぶん若手人気女優たちの中に混ざってもその美しさは目立つだろうと思う、それ程の美しさ。 このまま、時間が止まって欲しい、夢なら覚めないで欲しい。 「あ…もうこんな時間。すっかり長居してしまって申し訳けございませんでした。私、そろそろお暇いたします」と、 その美しい女性が可愛い声で少し恥ずかしそうに言い出した。 「え…まだ良いじゃないですか。ご自宅までお送りしますし。こんな美味しい晩飯を作っていただいたお礼もまだ…」 と俺が話してる途中、 「そうだな、ちさと、タクシーよぶから、帰りなさい」 と、奴が口を挟んできた。 ああそうだった…奴も俺の部屋に上がり込んでいた。 上がり込んで、ちゃっかり、晩飯食べてる…自分の娘が作った晩飯を。 なんでなんでなんで、この女性の父親がコイツなんだ!! 「ん?今年4回めの遅刻をした大野くん、今、わたくしをコイツ呼ばわりしました?」 くそっ、またか! ふじたふじた係長は、何故俺の心を読めるんだ?
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