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彼女は、俺が眠っていると思ったのだろう。
靴を脱いだ。
そしてストッキングの上から、
足の小指あたりに、
絆創膏を貼り付けた。
どうやら靴ずれらしい。
しばらくすると、
彼女はスマホで誰かと喋り始めた。
「はい、はい、わかりました。○○駅ですね。□□ビルの3階ですね。本日△時にお伺いいたします。ご連絡ありがとうございました。」
おっ、面接かな。
頑張れ。
彼女は靴を履き、
自身を励ますように気合いを入れて立ち上がった。
そして歩き出した。
けれど、駅へ向かう方向ではない。
さっき、○○駅の□□ビルって言ってたよな。
○○駅は、この公園の最寄り駅から二つ目の駅だ。
「駅、反対方向だよ」
俺は思わず声をかけてしまった。
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