生活健全促進課第一係長

寝坊は許さない

振り向いた彼女は、
最初はびっくりした表情だったが、

すぐに柔らかな笑顔になった。

「ご親切にありがとうございます。交通費節約のために、ふた駅ほど歩くつもりなので。」

ぺこっとお辞儀して、彼女は、最寄り駅と反対方向へ再び歩き出した。

靴づれしてるのに。
今の就活って大変だよなあ。

「健気ですねぇ」

いつの間にか、
ふじたふじた係長が、
俺の横にいた。