クリス・クリングルからのメッセージ

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* 「良いですよ」 「ありがとうございます!」  店長の好意に、敦志は頭を下げた。 「クリス・クリングル、面白いイベントですね。お店が少しでもお手伝いできるなら、僕も嬉しいです。上手く行くと良いですね。グッドラック」  店長が親指を立てると、敦志も目じりを下げた照れ笑いを返した。 「そうだ。店長さん、是非お名前を教えてもらえませんか」 「あ、申し遅れまして、すみません」  店長は、レジのそばに常備してある名刺を敦志に渡した。『出屋直』とあるその珍しい名まえを読むのに、敦志は少し時間を取った。今までの人生で学んできた漢字の知識をフル稼働させる。 「でやちょく、さん、ですか。珍しいお名まえですね」  店長は、慣れているとはいえ「それって、どこの国の人の名まえですか」と一度くらいは客に聞き返したくなる気持ちをぐっと抑える。 「『なんでもあるや』のいずるやなお(出屋直)と申します。ご注文ありがとうございました。今後もよろしくお願いします」 「わ、すみません」  敦志は、店長の名前をまるっきり読み違えた申し訳なさに顔を真っ赤にすると、さっきよりも深く頭を下げ、自分も直に名刺を渡した。
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