ドウセツ

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ビシッ。鉄を斬るとは違う、骨を斬る音。 辻斬りの右手首が刀と共に跳ねる。 「うう……!」 「首と仲良く並べてやろうか!」 呻く辻斬りに少女はすごむ。 「覚えてやがれ小娘風情が!」 安い捨て文句を置き辻斬りが背中を見せて走り去るのを見守った。 ふう、一息入れつつ、折れた刀を鞘に納める。 納刀の際、半分になった刀身を見て落ち込んだ。 ズキンと左腕が痛む。 着物の袖を噛み切って、傷口を覆いきつく縛る。 夜道を一人、折れた刀をぶら下げて、ため息とともに、月に照らされた城の方、道場へ帰った。 狙いの妖刀を斬れなかったこと、刀を折ってしまったこと、その二つがのしかかる両足は重たかった。
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