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「皆様、宴もたけなわではございますが、神崎女学院クリスマスセレモニーの最大、そして最後になりますイベント、“イルミネーション・ショー” を行います」
スピーカーからアナウンスされたのを合図に、皆はゾロゾロとツリーの前に集合する。
もちろん、私達もそれに倣った。
「これも見ものだよ!」
「そうか、それは楽しみだ」
最後ということで少し寂しい気持ちになるが、このショーはメインイベントでもある。
私はワクワクしながらその瞬間を待つ。
「これから5秒間、全ての明かりが消えますので、皆様お怪我などされないよう、ご注意くださいませ」
またアナウンスが流れる。それに合わせ、周りもざわめき始める。
知っている人間は待ってましたとばかりに、知らない人間は、何が起こるのだろうという期待で胸を膨らませる。
「気をつけろよ」
「毎年のことなんだから、大丈夫だって!」
さすが斎、安定の心配性。
「それでは、始めます!」
その言葉が合図となり、ガタン、と大きな音を立てて電源が落ちる。
たちまち辺りは真っ暗になる。すぐ傍さえも全く見えない。
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