scene.9

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「皆様、宴もたけなわではございますが、神崎女学院クリスマスセレモニーの最大、そして最後になりますイベント、“イルミネーション・ショー” を行います」 スピーカーからアナウンスされたのを合図に、皆はゾロゾロとツリーの前に集合する。 もちろん、私達もそれに倣った。 「これも見ものだよ!」 「そうか、それは楽しみだ」 最後ということで少し寂しい気持ちになるが、このショーはメインイベントでもある。 私はワクワクしながらその瞬間を待つ。 「これから5秒間、全ての明かりが消えますので、皆様お怪我などされないよう、ご注意くださいませ」 またアナウンスが流れる。それに合わせ、周りもざわめき始める。 知っている人間は待ってましたとばかりに、知らない人間は、何が起こるのだろうという期待で胸を膨らませる。 「気をつけろよ」 「毎年のことなんだから、大丈夫だって!」 さすが斎、安定の心配性。 「それでは、始めます!」 その言葉が合図となり、ガタン、と大きな音を立てて電源が落ちる。 たちまち辺りは真っ暗になる。すぐ傍さえも全く見えない。
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