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クロークでコートを受け取り、外に出る。
途端に、中との気温の差に身体が縮こまってしまう。
「さすがに寒いね」
「そうだな」
斎は、繋いでいた手をコートのポケットに入れた。
自動的に私の手もポケットの中に入ってしまったことで、先ほどよりも斎との距離が近くなる。
今が夜でよかった。
顔が赤くなっていても、わからない。
「ここは自然が多いせいか、空気が澄んでいるな。星も見える」
空を仰ぐと、たくさんの星が見えた。
初めて見た綺麗な夜空に、言葉を失う。
「こんなに星が見えるなんて、初めて知った…」
今日は何だか、初めてづくしだ。
肩を竦めて小さく笑うと、斎が不思議そうに私を見た。
私は首を横に振って、なんでもないという仕草をする。
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