グローバル・スランプ。

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「なっ チーフ、このモニタールームはなんですか!」 「話は後だ。君、高所は苦手?」 「大丈夫ですけど」 「じゃあ、スキューバダイビングもスカイダイビングもそう変わらないだろう。飛びたまえ」 「はあ!?」 「西に32度。間違いありません。『高跳びマモル』先生発見しました」 その名前は、俺が心から尊敬している漫画家の名前だった。 その人が見る美しい世界を表す手伝いがしたくて、漫画アシスタントになりたかった。 その人がどんな思いを持って漫画を描いているのか知りたかった。 なのに。 俺は今、地上1000メートルのジェット機の中。 豆粒みたいな先生の背中を追って、ダイブしたのだった。
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