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高そうな服装に高そうな椅子。 手には大きな宝石がついた指輪。 貫禄に満ちたその容姿を初めてこの目で見た。 「わざわざ赴いてもらってすまんの。今日はそなたにひとつ頼みがあって呼んだのじゃ。此度成人したそなたに新たな勇者となって魔王を倒してほしいのじゃ。」 この光景は知っていた。 魔王様から勇者がどんな奴かを見せてもらった時に見た光景と一緒だ。 「どうか断らないでいただきたい。この国で1番強く優れているものはそなたと聞いた。勇者になっては貰えぬだろうか。」 国王の言葉はいつも一緒だった。 有無と言わせない口調。 そうか、勇者達はみんなこんな気持ちだったのか。 「はい、引受させていただきます。」 僕も歴代の勇者達と同じように、返事をした。
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