3人が本棚に入れています
本棚に追加
低く唸るエアコン。
少し肌寒くて、私は自分の腕をこする。少し短めの制服スカートのせいじゃない。冷房18℃強風から動かないその設定のせいだ。
ぱらっ。
「くしょん」
小さくくしゃみが出たのは、強風の設定が部屋の埃を巻き上げるから。
掃除も行き届いていない上に窓も締め切っているし、カーテンもいつから開けてないのかといった感じ。
……なんて不健康なんだ。
ぱらっ。
よくこんな部屋にいるな、と思ってユウキの顔をちらりと見る。
眠そうな感じの目。寝癖はない、と言った感じの髪型。運動ができなさそうな身体つき。そして、その肌色は実際に運動など少しもしてないことを物語っている。……睫毛長いな。
そんな顔を澄まして、目線は本に落ちている。そして、また本のページをめくった。
ぱらっ。
…………。
いらっ。
私はカーテンをあけて、窓も開けた。陽光に目が少し眩む。そして、少し足を叩きつけるようにしてエアコンのコントロールパネルのところまで行って、電源を切った。
「ちょっ。お前、突然なにすんの?」
最初のコメントを投稿しよう!