Special.vol.7

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二人きりになってしばらく話していると、彼女からお見合いの話を聞かされた。 彼女が本気でお見合いをする気なんだと知って、僕は焦りと後悔と色々なものが混ざり、咄嗟に言葉が出なかった。 今ここでお見合いを僕が止めたら? 彼女は考え直してくれるだろうか、それとも…。 モヤモヤ広がっていく不安と焦り、楽しかった昨日が一気に霞んでいく。 彼女には幸せになって欲しい、そう願う反面、彼女を幸せにする相手は僕でありたい。 この想いをどうする事もできない情けない自分が浮き彫りになった。 この日、彼女は自宅まで送らせてもくれなかった。 縮んだと思っていた距離は以前と何も変わっておらず、ただの僕の妄想にしかすぎなかったのだと思い知らされた夜。 一人の部屋で仕事も手につかず、ただぼんやりと彼女の事を考えた。 どうやったって彼女に好かれる気がしない。 一歩近づけたと思ったら、彼女はまたすぐに僕の所から居なくなる。 まるで僕の事を避けるように…。 こんなに好きになるのなら出会いたくなかった。
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