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「僕、あなたのことを信じます」
「私のことを信じてくれてありがとう」
その後、男に銅貨を渡して別れた。明日のこの時間にここで会う約束をして……
そして、その翌日の約束の時間にまたここにやってきた。そこには昨日の男はいなかった。
騙されたのか?僕は僕の愚かさを呪った。このままだと飢え死にしてしまうのではないか……
僕はその場で崩れ落ちた。市場はいつもと変わらず活気はなく、聞こえるのは空腹の腹の音だけ。このあとも仕事はあるが、もうどうでもよくなってしまった。
残された道は店の物を盗むことだけだ。生きるために一番したくないことをしなくてはならない。仕方ないと言い聞かせ、立ち上がった。
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