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「ごめんなさい、待たせちゃって」
携帯を手に持ったまま、
私の前に座ってコーヒーを注文した。
疲れ切った顔をしているのに、目だけは鋭い。
「大変でしたね」
「ボクのせいなんだ、守りきれなかったことが苦しい」
と、私ごときに涙をみせた。
ヒカリさんのせいじゃない。
ゆたかくんに寄り添っていた
ヒカリさんだからこそ、
自責の念は消えることがない。
ヒカリさんのせいじゃない。
「私にできることがあったら、
何でも言って」
と口走っていた。
その間も、ヒカリさんの携帯は
鳴り続けていた。
「なに?だめだよ。もうおしまいに
しよう」
切るとまた呼び出し音。
「だからさ、今、人と会ってるから
切るよ」
しつこくからんでくる人がいて、
自宅まで付きまとわれたり、
していると言う。
いつも録音機を隠し持っているそうだ。
危険と紙一重。
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