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いつも一方的に話すヒカリさん。
私は静かに聞いている。
ヒカリさんが辛くても一番辛いのは、ゆたかくんなのだ。
ヒカリさんは、生きている。私も。
3.危険
ヒカリさんは大学を卒業してから、
証券会社に就職し結婚もした。
「家が近いのでゆたかくんとはよく会っていたんだよ」
ファーストアルバムが出て、曲がラジオで流れ、
「それからだよ、ゆたかくん人気に火がついて」
次々とリリースするアルバムは、
その都度、ヒカリさんのもとに送られてきた。
ヒカリさんは会社で忙しい毎日で、
深夜の帰宅が続いてた。
そんなある日、電話が鳴って出ると
「ひかりさん、オレ、ゆたかです」
5年ぶり?
「おー、ゆたかくん、元気そうな声だね、どうかした?」
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