終章 穢れなき未来へと

28/50
前へ
/403ページ
次へ
ーーー☆ーーー 『赤金の羽』。 自由を愛し、平和を目指し、世界を幸せで包み込む、といった願いを軸とした高校の仲良しグループは女尊男卑の理が弱者を粉砕することを許さない。理不尽な暴力から誰かを救う、そのためならば世界にだって喧嘩を売り、男のために立ち上がる。そんな高校の一仲良しグループは、いつしか世界中に輪を広げ、繋ぎ、時代錯誤な善性の集合体へと成長することとなる。 『アースライトニング社』。 慈善活動とは組織を大きく成長させる『力』を育てる、そう考える代表取締役にして現『至宝挽歌』アイリャント=ブルガリナ=アースライトニングは己のために慈善を振り撒く。絶望の底から掬い上げた者を取り込み、強固な忠誠を自発的に促すために。……という建前がないと、人助けの一つもできないと、愛する妻に愚痴る『至宝挽歌』の姿が度々目撃されるのだとか。 エリフィーナ=スカイブルー。 元フリーランス第一位にして、フリーランスでは歴代最強の怪物。ミリア=スカイブルーとの結婚を機に表舞台から姿を消しはしたが、歴代最強の力が衰えているとは限らない。 『72』の復活方式を粉砕せし者たち。 『運命』の一幕、東城大和と同じく『72』の復活方式を軸とした闘争に勝利し、魔女モルガン=ル=フェイの復活を阻止してきた『主人公』たちは、かの御都合主義が崩壊したことで『なぜか』の一言を振り切り、こうして表舞台に降り立つ。東城大和に並ぶ性質を持つルールブレイカーどもは既存のパワーバランスを無視した結果を叩き出すだろう。 『青』き蒼天皇女。 『赤』き混沌支配と対立し、無数の世界を守らんとする失われし天空の皇国の皇女にして唯一の生き残り。『黒』の愛情に『白』き光翼、『緑』の絶海覇王、『紫』の偶像女王と同じく『天上』が司る理の体現者である。 それら『72』の善意を引っ張り出したことに意味はある。これまでは悪意『だけ』が暴れ回っていたが、それでは足りなかったからこそハッピーエンドなどという結末が紡がれたのだから。 ならば、これまで登場してこなかった『方面』の面々を引きずり出せばいい。足りない戦力を補充し、絶対領域を粉砕してみせろ。
/403ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加