第2話 《成り上がり》

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翌日、恵子ちゃんのお父さんの会社は倒産しなかった。 そしてなぜか株価は上がっていた。 俺が会社から出ると一台の高級車が止まっていた。 車から恵子ちゃんが降りて来た。 そして後部ガラスが降りた。 一人の老人が俺に頭を下げた。 沢田総一郎だった。 恵子ちゃんが「お父さんよ!」と俺の手を引いて車の後部席に座らせた。 沢田総一郎が俺に言った「この前は7億円助かったよ…サウジアラビアのプラント計画で現金で1兆円必要だったんだが7億円がどうにも足りなくてね…現金で7億となると私の取り引き銀行では娘の銀行に宝くじで8億当てた君の7億5千万円の現金しか金庫になくてね…支店長の前島に金庫の7億を貸せと言ったんだが頭の固い奴で3時を過ぎたらダメだと言いやがて娘が君の預金通帳と印鑑を持って帰って君が「恵子ちゃんの覚悟見せて貰ったよ!7億5千万だけど使ってくれ!」って言うのを携帯に録音していてね…それを聞いて前島の奴、やっと金庫を開けやがった…それでサウジアラビア大使館に現金1兆円を届けたんだよ…1兆円となると10トントラック10台だからね…サウジアラビア大使館は大変だった見たいだよ、サウジアラビアも私がどれだけの男か知りたかった見たいけどね…」と笑った。
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