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俺はカバンからさっき貰ったばかりの離婚届けを出した。
妻は何も言わずに離婚届けにサインしてタンスの引き出しから印鑑を出しおした。
そして佳代子は裸のままで泣き崩れた。
俺はリュックから2千万円を出して「幸せになれよ…家のローンは全額返済したから…佳代子にやるよ…軽自動車もな…俺は出て行くよ…あ!尾崎のCDは持ってくから…」と尾崎のCDをリュックに入れた。
「ふたつの心…聴けよ」と尾崎豊の放熱への証を佳代子に渡した。
佳代子が「ありがとう…」と言った。
「後のことは弁護士に頼むから…」と俺は家を出た。
カプセルホテルにでも泊まろうと思ったがリュックの中には1千3百万円残っているから高級ホテルに泊まることにして駅へ来た。
駅へ入ると「北島さん…」と声をかけられた。
「君は…」銀行の宝くじの受付の女の子だった。
俺が「宝くじの件かな…」と言うとその子は「北島さん!お金貸してください…」と駅の入り口で土下座して泣き出した。
俺は「君、立ちなさい…話聞くから…」とタクシーに乗り込んだ。
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