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「……今日もお天気は良さそうだな」
白んできた窓の障子に目をやって、
秋月が小さく伸びをした。
「ごめんなさい……目、
覚めちゃった?」
せっかくのお休みなのにと、
夏目がすまなそうな顔になる。
「いつもの時間に目が覚めてしまうのは、
仕方ないよ」
落ちてきた前髪を梳き上げながら、
秋月が身体を起こす。
伸ばした腕でファンヒータのリモコンを取ると、
スイッチを入れた。
三月も末とは言え、
東北の朝晩はまだ寒い。
と、
後ろから伸びてきた腕で背中から抱きこまれる。
「こら、
夏目」
「夕べは結構疲れさせたつもりだったんですけど……」
足りなかった?と悪戯っぽく訊かれて、
秋月の目元が染まる。
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