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「まあっ、アーク、大丈夫ですの」
慌てるサリに片手を振って、アークは言った。
「平気よ。気が抜けただけ」
それからアークはサリとミナに、空いている長椅子に座るように言った。
向かいの長椅子にはルークが座っている。
彩石騎士たちは、ここにいるシィン以外、隣の彩石騎士居室で仕事中だ。
「一応、手紙で承知しているけど、報告してちょうだい。ジエナ兄さまに会ってどうしたって?」
ミナは、旅の間ずっと彩石袋に入れていた地図を、目の前の低い机に広げて言った。
「まず、ジエナには、ここが彼の位置だったんですが、ここから、南西に進路をとってくれるように頼みました。そのあとは西へ」
ミナは地図上で位置を示した。
「水の要石が大体この辺りで、バランまで、6つの補助石を据えました」
ミナの指がざっと西に進む。
「そして、火の要石がここ、土がここで、スクネのここからニトまで、火の補助石が6つです」
ミナは指を戻してヘンリーを指した。
「クオラさまについては、パクト、リュカ、セネルの各領主が力添えしてくれるようだと、コルトのサランフォールさんが仰っていました」
それからミナは、手を地図から離して、言った。
「余計なこととは思いましたが、レア・シャスティマのレムリスさまに、クオラさまのこと、気に掛けてくださるように頼みました」
それから再び地図に戻る。
「ピクトリノの東側で、騎士たちが賊を捕らえました。これはサランフォールさんに、あとのことをお願いしています。領主であるヴラウドさんからも、丁寧な感謝の言葉をいただきました。で、セネル西側ですね…」
ミナは背もたれに身を預けた。
「賊に遭遇しました。数は50人と少し。サリにも動いてもらって、全員捕縛。これらはバランの領主に預けたと聞きました。そして、子供を見付けて…」
ミナは再び地図を示した。
「スクネの領主カティリオさんにあとを頼みました。親が見付かったのは取り敢えず1人だけです」
ミナは一旦、言葉を切って、続けた。
「ほかの子たち、8人については、カティリオさんが面倒を見てくださるとのことだったのですが、ヴェヅネッカでギルドメアさんの上司、結界管理部部長のミズガルド・タルラさん、危機管理庁長官、ハルノア・デスリさん、王宮外務調整庁長官、ウルトイ・ガストールさんにお会いしたので、広く親戚をあたってもらえるよう、頼みました」
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