歓迎

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宣言したサリは、走って勘定をしにいった。 そのあと、店を変えて、ミナは女性陣にと、織物を見て回った。 スウェルの話では、この織物がレア・シャスティマ王国独自の質感と模様で、王宮でも贈り物としてよく用いるそうだ。 ミナは、綿袋の袋として使う織物を発見して、模様を選び、求めた。 あとは土産用に日持ちのする菓子などの食料品を求め、夕方に王宮に戻った。 「ああ…いっぱい買ってしまいましたわ!」 「私も!」 サリとミナはそう言って顔を見合わせて笑う。 みんなが、土産を見てどんな顔をするのか、楽しみだが、少し不安もある。 がっかりさせはしないだろうか? だが取り敢えず、今は達成感に浸りたい。 「よいものは見付かりまして?」 尋ねるスウェルに、ふたりは、はい!と笑顔で応えた。 その晩は騎士たちやグレンも一緒に夕食をいただいたあと、舞踏室で杯を傾けながら踊り、楽しい夜を過ごした。 ミナは、踊れないと最初は固辞したものの、女性陣だけで踊ったりしているうちに流されて、騎士たちとも代わる代わる踊っていった。 翌日、朝食をいただき、昼食まで持たせてもらうと、ミナたちはレムリスたちとの別れを惜しみつつ、チュッテに向かった。 往きにも見た、あのシャンリノ畑で昼食をいただき、マルグリードを見つめる。 いよいよ旅も終わりだと、少し寂しい感じがする。 そんな思いを振り切って、チュッテに到着すると、宿はすごい盛り上がりだった。 客まで歓声と拍手で出迎えてくれ、サリたちは驚いた。 聞けば、宿の(あるじ)が客にまで、今夜泊まるのは()の彩石判定師様だと触れ回ったらしい。 サリたちは恥ずかしいやら嬉しいやらで、困った笑みを浮かべて、部屋に向かい、旅装を解いた。 夕食はかなり豪勢で、サリたちは動けなくなるかと思うほどに食べてしまった。 翌日出発した一行は、ノルトレマナで昼食を摂って少し町を散策し、カナール港に着いて、バルタ クィナールに乗船した。 船長ライネスは変わらぬ笑顔で迎えてくれ、サリたちは再会を喜んだ。
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