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そこに市庁舎の中から、一団の人々が押し出されてきた。カザークが周囲をがっちり固めているが、中に少し背の高い眼鏡の人物がいて、その顔は見間違えようがない。クラスノショーコフだ。だとしたら、近くにニーナの目当ての人もいるはずだ。
やはりクラスノショーコフの姿に気づいた人たちは、カザークが手にしている武器のことなど忘れて殺到する。カザークたちも道をあけようと押し返す。
カザーク兵に追い縋り、くってかかっている人たちもいた。その大半が明らかに日本人とわかる服装・顔つきの男たちだったのを見て、ニーナの心臓は激しく鼓動を打った。
(あいつら……)
無意識のうちにプラトークを引っ張って顔を覆い、怒号が飛び交う中を泳ぐようにして突き進む。
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