第1章

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     「不器用」 君は本当に不器用だね そう彼が笑う でも違うと大声で反論したい 私が本当に不器用だったなら 貴方に出会うまでの数十年 ここまで生き延びる事なんて 出来やしなかったし 一人でなんでもこなして 生きてきた ただ 貴方と居ると 気持ちが緩むので 失敗してしまうだけなんです と 彼は微笑みながら 私の反論を聞いている 今まで一人で頑張ったね これからは 失敗しても 僕が笑ってあげるし 出来る事なら 僕がするよ 今まで一人で 本当に頑張ったね こんなに優しくしてくれるだんて 不器用でもなんでもよいと 心から思った
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