師匠との再会

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「んニャ。何人でかかって行っても一緒なのニャ。邪魔なだけなのニャ」  ローゼンは陽気に辛辣な言葉を吐いた。ハットは肩を落としている。ミルキーはハットの顔に釘付けだ。 「…女神ミルキーは戦いの神様ですよね。3人だけで勝算はあるのでしょうか…」  ハットは消え行くような声でミルキーに聞いた。予想通りの答えが返ってきた。 「無理ね」  たったのひとことだけ、だった。 「大丈夫ニャ! これから特訓するから、きっと勝てるのニャ! で、ハット。今から戦うのニャ。ボクと。今のハットの実力を見ておきたいのニャ」  ローゼンの顔つきが今までとはまるで違う。ハットに対して殺意を抱いている様な目だ。その表情にハットもミルキーも気付いた。ハットは腑抜けた目をやめ、素早く鋭い眼光に切り替えた。ミルキーはふたりの様子にドギマギしている。 「ほう、ハット。本当にずいぶんと成長したんだニャ。ボク、本当に嬉しいのニャ」  全く嬉しそうな顔ではないローゼンを見て、ハットの背筋が凍った。まさに真剣勝負が始まる様相となった。 「アンタ! 自分の弟子を殺す気なの!!」  戦い終わってすぐにミルキーがローゼンに向かって叫んだ。ローゼンもハットも大地に大の字になっている。ここは山間部だったはずなのだが平地になった。今すぐに農地にでも住宅街にでもできそうだ。 「キャッ!!」    ミルキーがハットに回復魔法をかけた途端、その魔法が弾け飛んだ。 「女神ミルキー、ダメです。ボクにはマジックキャンセルがかかってますから…」  息も絶え絶えにハットが答えた。  マジックキャンセルは魔法ではなく能力、簡単に言うと呪いである。攻撃魔法を受けることはないが、見方からの強化魔法や回復魔法も受け付けることはないのだ。  一年前、ローゼンとの修行のあと、ローゼンと相談してから魔法屋でかけてもらったのだ。術式は簡単な物なのだが、魔法素材自体がバカ高いのだ。この時は、ローゼンが支払っている。  ローゼン自身はマジックキャンセルをかけてはいない。ハットほど、タフではないのだ。 「これほどとはニャ…まさかのまさかのまさかだったニャ…ミルキー、ボク、死にそうだニャ…」 「アンタはもう死んじゃいなっ!!」  ミルキーはハットを抱きかかえて、涙をこぼしている。そのミルキーにハットが言う。
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