第2章 夏合宿の強化指定部員、決定

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第2章 夏合宿の強化指定部員、決定

最近、自分自身が汗臭くなりたいと思うと共に、生徒たちも思いきり臭くなって欲しいという気持ちが日増しに強くなっている。 この10日間は恋愛やおしゃれ、世の中の流行りとは断絶した生活を送り、剣道の醍醐味である「臭い、キツイ、厳しい」の3Kを生徒も私も思う存分感じたい。 今年の夏合宿で、誰か一人でも剣道の汗臭さを好きになってくれる女子剣道部員がいれば嬉しいなと感じる・・・私は変なのだろうか? 実は、1年生の中に今年から剣道を始めた加奈という生徒がいる。 防具や道着、袴が少し前に届いたばかりなので、まだまだ新品の臭いである。 部員7人の中でも、特にこの生徒を汗臭くしたいという思いが強くなっている。 加奈はこれまでスポーツの経験が無く、大人しい生徒である。 真面目に稽古しているのは評価できるが、ランニングではいつも最下位だし、厳しい稽古についていけない事があるのも事実だ。 声が小さいのでよく注意されているのだが、注意された直後は一時的に声が出るものの、しばらくするとまた小さくなってしまうという悪い癖もあった。
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