第3章 夏合宿1日目

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私は部屋に荷物を置いて剣道場へ行き、教員室で剣道着に着替えて生徒の到着を待った。 時計の針は9時45分、これから長くて熱く、臭い10日間が始まる。 早速、生徒たちは挨拶がだらしなく、靴を靴箱へ入れないという失敗をした。 それだけではない。 行きの電車、バスの中でもメールやネット、お喋りに夢中で、これから夏合宿へ行くという緊張感がほとんど感じられなかった。 この府抜けた根性を叩き直して、日本一汗臭い女子剣道部員に生まれ変わるのだ。 10時から昼休みまでの2時間で私には妥協が無い事を生徒に伝え、この10日間は少しでも気を抜いたら泣くまで怒られるという覚悟を持って貰おう。 生徒たちが夏合宿でどれだけ変わるのか、私にも楽しみだ。 10時「これから今年の夏合宿を始めます。一同、礼。よろしくお願いします」 キャプテンの大きな声が道場に響いた。 いつもなら私の号令でランニングが始まるのだが、今日は号令がない。 私を見つめる部員を前に私は言った。
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